こんにちは!鍼灸師・薬剤師の井土利恵です。暖かくなり始めた春、なんとなく体調がすぐれない…そんな経験はありませんか?
実は春は自律神経が乱れやすい季節なんです。このブログでは東洋医学の観点から春の不調の原因と効果的な対策をご紹介します。自律神経バランスを整えて、春を元気に過ごすためのポイントがわかりますよ!
春に不調を感じる理由とは?
春になると「なんとなく体がだるい」「寝ても疲れが取れない」「イライラしやすくなる」という声をよく耳にします。これらは単なる気のせいではなく、季節の変わり目による体調変化なんです。
冬から春への移行期間は気温の変化が大きく、それに体がついていけないことが原因の一つ。また、新年度や新しい環境へのストレスも加わるため、自律神経が不安定になりやすいのです。
春は「木」の季節—東洋医学の五行説から見る春の特徴
東洋医学の「五行説」では、春は「木」の季節とされています。木は上へ上へと伸びていく性質があり、春は全てのものが上昇・成長するエネルギーに満ちています。
この時期は自然界が冬の眠りから目覚め、草木が芽吹き、新しい命が誕生します。人間の体もこの自然のリズムに同調しており、春は体内のエネルギーが上昇する時期なのです。
しかし、このエネルギーの急激な変化についていけないと、様々な不調が現れることがあります。特に現代社会では自然のリズムとのずれが大きいため、春の不調を感じやすくなっているのです。
「肝」の働きと自律神経の関係
東洋医学では、春は「肝」の働きが活発になる季節です。ここでいう「肝」は西洋医学の肝臓とは少し違い、体内のエネルギー(気)の流れをスムーズにする役割を持っています。
この「肝」の機能が乱れると、気の流れが滞り、様々な症状が現れます。例えば:
- イライラや感情の起伏
- 目の疲れや充血
- 筋肉の緊張や肩こり
- 頭痛やめまい
- 不眠や浅い睡眠
これらの症状は、現代医学でいう自律神経の乱れと非常に似ています。実際、東洋医学の「肝」の機能と自律神経系は密接に関連しているのです。
東洋医学から見た春の不調の原因
春に不調を感じる理由を、東洋医学ではどのように説明しているのでしょうか?
気の流れが滞ると起こる症状
東洋医学では、健康は「気・血・水」のバランスによって保たれると考えます。特に「気」の流れが滞ることを「気滞(きたい)」と呼び、様々な不調の原因になります。
春は「肝」の働きが活発になる時期ですが、この肝の機能が低下すると気の流れが滞り、以下のような症状が現れます:
- 胸やみぞおちの詰まり感
- ため息が多くなる
- 首や肩のこり
- めまいや頭痛
- 消化不良や食欲不振
- 便秘や下痢の繰り返し
これらの症状は、東洋医学でいう「肝気鬱結(かんきうっけつ)」という状態です。現代のストレス社会では、この状態になりやすく、特に春は症状が悪化しやすいのです。
春特有の自律神経の乱れとその影響
自律神経は交感神経と副交感神経のバランスで成り立っています。交感神経は活動時に優位になり、副交感神経はリラックス時に優位になります。
春は日照時間が延び、気温も上昇するため、体は自然と活動モードになります。しかし、冬の間に副交感神経優位の状態に慣れていた体が、急に交感神経優位の状態に切り替わることで、自律神経のバランスが崩れやすくなるのです。
この自律神経の乱れは、以下のような様々な症状として現れます:
- 疲れやすさや倦怠感
- 寝つきの悪さや早朝覚醒
- 頭痛やめまい
- 動悸やのぼせ
- 胃腸の不調
- 肌荒れやアレルギー症状の悪化
これらの症状は「春バテ」とも呼ばれ、多くの方が経験するものです。
春の自律神経バランスを整える3つの方法
春の不調を改善し、自律神経のバランスを整えるための方法をご紹介します。
①春に取り入れたい食事と養生法
東洋医学では、季節ごとに適した食材や食べ方があります。春は「肝」の働きをサポートする食事を心がけましょう。
春におすすめの食材:
- 緑色の野菜(春菊、菜の花、小松菜など)
- 新芽や若葉(豆苗、スプラウトなど)
- 軽い酸味のある食品(レモン、酢、ヨーグルトなど)
- 苦味のある食材(よもぎ、ゴボウなど)
特に緑色の野菜には、肝の働きを助ける成分が豊富に含まれています。また、酸味は肝の働きを整える効果があるとされています。
春の養生法:
- 朝早く起きて深呼吸をする
- 軽い有酸素運動(ウォーキング、ストレッチなど)を取り入れる
- こまめに水分を摂る
- 適度な休息をとる
- 規則正しい生活リズムを心がける
春は「肝」の働きが活発になる時期なので、上昇するエネルギーをうまく発散させることが大切です。適度な運動と休息のバランスを取りましょう。
②自律神経を整えるツボ刺激
東洋医学では、ツボを刺激することで気の流れを整え、様々な症状を改善すると考えます。春の不調に効果的なツボをご紹介します。
太衝(たいしょう)
- 場所:足の甲、第1趾(親指)と第2趾(人差し指)の間の骨と骨の間のくぼみ
- 効果:肝の気の流れを整え、ストレスや緊張を緩和します
- 刺激方法:親指で押圧し、3〜5秒間押さえてから離す、これを3〜5回繰り返します
合谷(ごうこく)
- 場所:手の甲、親指と人差し指の付け根の間のくぼみ
- 効果:気の流れを全身に巡らせ、頭痛や自律神経の乱れを改善します
- 刺激方法:反対の手の親指でやや強めに押し、3〜5秒間押さえてから離す、これを3〜5回繰り返します
肩井(けんせい)
- 場所:肩の上部、首の付け根から指3本分外側
- 効果:肩こりや頭痛の緩和、自律神経のバランスを整えます
- 刺激方法:両手の中指または親指で軽く押し、円を描くようにマッサージします
これらのツボは1日1〜2回、朝起きた時や夜寝る前に刺激するとよいでしょう。ただし、妊娠中の方は合谷の刺激は避けてください。
③朝と夜の簡単な習慣で整える体内リズム
自律神経のバランスを整えるには、体内時計を正しく保つことが重要です。特に朝と夜の習慣が鍵となります。
朝の習慣:
- 決まった時間に起き、カーテンを開けて朝日を浴びる(15分程度)
- 白湯を飲んで胃腸を目覚めさせる
- 軽いストレッチで体を動かす
- 朝食をしっかり摂る
特に朝日を浴びることは、体内時計をリセットし、セロトニンの分泌を促進するため、自律神経の調整に非常に効果的です。
夜の習慣:
- 入浴は38〜40度のぬるめのお湯に20分程度つかる
- 入浴時に首や肩をほぐす簡単なマッサージをする
- 就寝1時間前にはスマホやパソコンの使用を控える
- 深呼吸やリラックスする音楽を聴いて副交感神経を優位にする
- 決まった時間に就寝する
これらの習慣を取り入れることで、自律神経のバランスが整い、春の不調を軽減することができます。
プロの施術で春を元気に過ごすポイント
セルフケアに加えて、プロの施術を受けることでより効果的に春の不調を改善することができます。
季節の変わり目に効果的な鍼灸施術
鍼灸施術は自律神経のバランスを整える効果があることが科学的にも証明されています。特に春には以下のような効果が期待できます:
- 肝経・胆経の気の流れを整える効果
- 自律神経のバランスを整える効果
- 筋肉の緊張を緩和する効果
- 血流を改善する効果
- 免疫力を高める効果
春は特に「肝」の働きが重要になるため、肝経・胆経のツボを中心とした施術が効果的です。例えば、「期門」「陽陵泉」「支溝」などのツボを組み合わせることで、春特有の不調を効果的に改善することができます。
鍼灸施術の効果は個人差がありますが、多くの方が1回の施術でもリラックス効果や体の軽さを実感されます。定期的に受けることで、より効果を実感しやすくなります。
体質に合わせたアプローチ法
東洋医学では、同じ症状でも体質によって原因や対処法が異なると考えます。春の不調に対しても、体質に合わせたアプローチが重要です。
熱っぽく乾燥しやすい体質(陰虚体質)の方:
この体質の方は春になると、のぼせやほてり、口の渇き、イライラなどの症状が現れやすくなります。施術では体内の熱を冷まし、潤いを与えるアプローチが効果的です。
自宅でのケアポイント:
- 水分をしっかり摂る
- 刺激物や熱を生む食品(辛いもの、揚げ物など)を控える
- 入浴は長湯を避け、ぬるめの温度にする
ストレスを溜めやすい体質(気滞体質)の方:
この体質の方は春になると、胸やみぞおちの詰まり感、ため息が多くなる、肩こりなどの症状が現れやすくなります。施術では気の流れを促進するアプローチが効果的です。
自宅でのケアポイント:
- 適度な運動で気の巡りを良くする
- 深呼吸やストレッチでリラックスする時間を持つ
- 好きな香りのアロマを活用する
一人ひとりの体質や症状に合わせたオーダーメイドの施術で、より効果的に春の不調を改善することができます。
春の不調でお悩みの方は、はりきゅうサロンharuyuiの初回トライアルで東洋医学的なアプローチを体験してみませんか?季節の変わり目の体調不良には、自律神経のバランスを整えるツボ刺激が効果的です。お一人おひとりの体質や症状に合わせた丁寧な施術で、春を元気に過ごすお手伝いをいたします。
ぜひ、春特有の不調にお悩みの方は、専門家による東洋医学的アプローチを試してみてください。体質に合わせた施術で、春を元気に過ごすお手伝いをさせていただきます。
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